万博2025で「トイレが使いづらい」といった声が広がっているのをご存じでしょうか。
実際に現地を訪れた人たちからは、「空室を示すランプが点いていなかった」「入口が見つけづらい」「個室が半分しか使えなかった」といった声が多く聞かれています。
会場では、美しさや未来的な雰囲気を意識したデザインが注目されていますが、その一方で、使いやすさや安心して利用できる環境とのバランスには、まだ課題が残されているようです。
この記事では、そうしたトイレのデザインに込められた意図や背景、実際に現地で感じられている使いにくさ、そして今後どのような改善が期待されているのかについて、わかりやすくまとめていきます。
Contents
万博2025のトイレが話題に?注目を集めた“美しいデザイン”
大阪・関西万博2025のトイレが、いまSNSやニュースなどでたびたび取り上げられています。
その理由のひとつは、見た目の美しさや、これまでにない斬新なデザインです。
まるで美術館や、スタイリッシュなホテルのロビーのような外観に、「こんなトイレ見たことない」と驚いた人も多かったようです。
一方で、「見た目はすてきでも、使ってみるとちょっと不便」と感じた人も少なくありません。
万博で採用されたトイレのデザインがどのようなものなのか、その特徴や意図について見ていきたいと思います。
芸術性と未来感を感じさせるデザインの特徴
万博会場にあるトイレは、芸術的で未来的な雰囲気をもつ外観が特徴になっています。
一部の建物では壁にカラフルな模様があしらわれていたり、照明にも工夫がされていて遠目から見ても印象的です。
外側だけでなくトイレの中の個室の配置や形にもひとひねりが加えられていて、従来の公共トイレとは少し違った工夫が見られます。
この背景には、「万博は未来の社会を体験する場」というテーマがあります。
トイレのような日常的な場所にも“非日常”の要素を取り入れ、訪れた人に新鮮な驚きや感動を届けようとしたのかもしれません。
SDGsやユニバーサルデザインとのつながり
こうしたトイレのデザインには、美しさだけでなくSDGsの考え方も反映されています。
たとえば、一部のトイレでは節水機能が備わっていたり、太陽光発電を利用した照明が使われるなど、環境に配慮した設計が取り入れられていました。
またバリアフリー対応の個室や、性別にとらわれないジェンダーフリートイレの設置など、ユニバーサルデザインの視点も一定程度考慮されています。
ただし、実際に利用した人からは「見た目はいいけど、使いづらかった」といった声も上がっています。
デザインの理想と実際の使い心地とのあいだには、どうしてもギャップが生まれることもあるようです。
現地でどのような“使いにくさ”があったのか、利用者のリアルな声を交えながら詳しく見ていきます。
美しいけれど、使いにくい?利用者が感じたリアルな声
トイレのデザインが話題を集めている一方で、実際に利用した人たちからは「正直、使いづらかった」といった声も聞こえてきます。
どれだけ見た目が魅力的でも、使う人の気持ちに寄り添った配慮がなければ、満足度はどうしても下がってしまいますよね。
ここでは、現地でよく聞かれた具体的な不便さについて整理してみたいと思います。
ランプの不具合が混乱の原因に
多くの人が最初に戸惑ったのが、個室の使用状況を示すランプの不具合です。
本来であれば、空いているかどうかがランプの色で一目でわかる仕組みなのですが、開幕当初はこのランプがうまく作動せず、表示と実際の状況が合っていないことがあったようです。
「空いていると思って扉を開けたら、すでに誰かが使っていた」「空いている個室なのに、ランプが点灯していなくて見逃してしまった」といったトラブルが、あちこちで起こっていたそうです。
こうした表示の不具合は、トイレの前で列が長くなる原因にもなっていました。
せっかく便利な仕組みが導入されていても、きちんと動かなければ、かえって混乱を招いてしまいます。
一方通行の導線が、使い勝手を悪くすることも
もうひとつ、多くの人が不便に感じていたのがトイレ内の導線です。
今回のトイレは、多くが「入口と出口が別々になっている」一方通行の構造で、個室の前を通り抜けるような形になっています。
このレイアウトのため通路の片側しか使えず、結果的に「個室が半分しか使えない」といった状況が起きていました。
さらに通路からはどの個室が空いているのかが見えづらく、奥の方にある個室が空いていても、誰にも気づかれずにそのままになっていることもあったそうです。
本来ならスムーズに流れるように設計された導線なのかもしれませんが、結果的に混雑を悪化させてしまったという指摘もあります。
どれだけ美しく設計されたトイレでも、使う人が「わかりやすい」「安心できる」と感じられなければ、かえってストレスの原因になってしまいます。
こうしたデザインがどのような考えのもとで作られたのか、設計者の意図や万博のコンセプトとの関係について、詳しく見ていきます。
誰のためのトイレだったのか?設計に込められた想いを読み解く
万博で注目されたトイレデザインについては、「見た目ばかりが先行して、使いやすさがおろそかになってしまったのでは」と感じた人も多かったようです。
けれども設計に関わった建築家やデザイナーたちには、それぞれしっかりとした意図や想いがあったことも確かです。
デザインに込められたメッセージや、実際の利用者とのあいだに生まれた“ギャップ”について見ていきます。
設計チームが語るコンセプトとねらい
大阪・関西万博で使われているトイレの中には、建築家やデザイナーが手がけたものもありました。
「未来の社会」「多様性」「環境への配慮」といったテーマを、トイレという空間の中で表現しようという、意欲的なチャレンジだったようです。
中には、「トイレ自体をアート作品のように見せたい」という考えから生まれたデザインもあり、独特な形や色使い、素材へのこだわりが随所に見られます。
また、SDGsの視点を取り入れた節水型の設備や太陽光発電による照明など、環境に配慮した工夫も一部で取り入れられていました。
こうした取り組みからは、「新しい時代のトイレを提案したい」という強い想いが伝わってきます。
利用者の声と、そこにある“すれ違い”
ただし、実際に使った人たちからは、「どこが入口なのかわかりづらい」「中の構造が複雑で戸惑った」といった声が多く聞かれました。
特に、高齢の人や小さなお子さんを連れた家族、外国から訪れた人にとっては、あまりにも非日常的な空間に戸惑ってしまうこともあったようです。
案内表示が少なかったり、配色のコントラストがわかりにくい場所もあり、「誰にでもわかりやすい設計」とはいえなかった部分もあるのかもしれません。
トイレは、毎日誰もが使う場所です。
だからこそ、「すべての人にとって使いやすいかどうか」がとても大切で、それこそが“本当の意味でやさしいデザイン”なのではないでしょうか。
デザインの意図と、実際に使う人のリアルな感覚とのあいだには、どうしてもズレが生まれることがあります。
そのギャップをどのように埋めていくかが、これからの大きな課題になりそうです。
運営側がどう対応しているのか、今後の改善の動きについてご紹介していきますね。
今後どう改善される?運営側の対応とこれからの課題
トイレをめぐるさまざまな課題が明らかになったことを受けて、運営側も本格的に対応に取り組み始めています。
訪れる人たちが少しでも快適に過ごせるようにと、どのような対策が行われているのでしょうか。
この章では、現在進められている対応策と、今後の改善ポイントをまとめてみました。
運営の取り組みと、今後予定されている修正内容
報道などによると、万博の運営事務局は「現地の状況を確認しながら、順次対応を進めている」と説明しています。
実際に進められている主な対策は、以下のとおりです。
- 不具合が見つかっていたランプやセンサーの修理・調整
- トイレの場所や導線がわかりやすくなるよう、案内表示の追加
- アプリに表示される混雑状況の精度を高める調整
- 案内スタッフによる現地サポートの強化と、利用者への声かけ
このように課題が見つかった箇所については、一つひとつ改善が試みられています。
ただし会場がとても広く、来場者の流れも日によって異なるため、すべての問題がすぐに解決するわけではないようです。
しばらくは訪れる人それぞれの工夫や、柔軟な対応も必要になってきそうです。
本当に快適なトイレ空間に必要なこととは?
今回のトイレ問題を通じて、多くの人が改めて感じたのが「良いデザインとは何か」ということではないでしょうか。
見た目の美しさや、斬新なコンセプトはもちろん大切です。ですが、公共の場で本当に求められるのは、誰でも迷わず安心して使える“やさしさ”や“気配り”なのかもしれません。
たとえば、言葉に頼らない案内マークや、身体が不自由な人でも使いやすい構造。混雑時でもスムーズに利用できる動線など、派手ではないけれど、とても大切な工夫がたくさんあります。
これからさらに多くの人が万博を訪れるなかで、そうした細やかな配慮こそが「来てよかった」と感じてもらえる体験につながっていくのだと思います。
よくある質問まとめ|万博2025のトイレデザインについての疑問
Q:万博2025のトイレは、なぜ「使いにくい」と言われているのでしょうか?
A:ランプの誤作動や、通路のわかりづらさ、さらには個室の一部が使えない設計などが重なり、スムーズに利用できない場面が多く見られました。デザイン性を重視した結果、実際の使いやすさが後回しになってしまった印象があります。
Q:一方通行の導線とは、どのような仕組みですか?
A:トイレの入り口と出口が別々になっていて、一方向に進む構造になっています。この設計のため、通路の片側しか個室が使えず、「個室が半分しか使えない」と感じた人が多かったようです。
Q:トイレのデザインには、どのような意図があったのでしょうか?
A:万博のテーマである「未来社会の実験場」に合わせて、芸術的で未来的なデザインが採用されました。また、SDGsやユニバーサルデザインを意識した設備も、一部には取り入れられています。
Q:今後、トイレの使いにくさは改善される予定ですか?
A:運営側では、ランプや案内表示の修正、スタッフによる案内の強化などを進めています。すぐにすべてが解決するわけではありませんが、少しずつ改善されていく見込みです。
Q:見た目の美しさと使いやすさ、どちらを優先すべきでしょうか?
A:どちらも大切ですが、公共の場ではやはり「誰でも迷わず使える安心感」が特に求められます。美しさと実用性のバランスを取ることが、これからの施設づくりに必要な視点だと思います。
まとめ
この記事では、大阪・関西万博2025で話題になっているトイレのデザインについて、見た目の美しさと、実際の使いにくさの両面からご紹介しました。
- 万博2025のトイレは、芸術的で未来的なデザインが特徴
- その一方で、ランプの不具合や導線のわかりにくさから、使いにくさを感じた人が多かった
- 一方通行の構造や案内不足が、混雑の原因にもなっていた
- SDGsやユニバーサルデザインを取り入れた試みはあるが、利用者目線がやや不足していた
- 運営側は、ランプ修理や案内の見直しなど、段階的に改善を進めている
公共のトイレは、誰もが安心して利用できる場所であることが大前提です。
デザインの美しさと実用性、その両方を大切にすることが、これからの公共空間には欠かせない視点だと感じさせられます。
万博という大きな舞台での学びが、今後に活かされていくことを願いたいですね。